「QC」と「QCサークル」。似ているようでもそれぞれの言葉の意味は違います。QCについてはシスアドの勉強で学んでいくと思いますが、ここではあまり知られていないQCサークル(小集団活動)について紹介します。なお、以下の本文中にQCと出てくるのは、多くの場合QCサークルのことを指してます。
■はじめに
私がOA系の会社に入社したのは1990年。配属された部署は、(今ではかなり懐かしい)ワープロのテレフォンセンターでした。女性ばかり、総勢20人の部署で、私を含め新人4人が配属されました。仕事内容は、お客様からのワープロの操作問い合わせに電話で対応するというもの。2ヶ月間の厳しい研修を経て、私たちもようやくデビューを果たし、毎日が足早に過ぎていきました。
■ミーティングにて
そんなある日、仕事前に毎朝行われていたミーティングで初めて「QC」という言葉を耳にしました。「今期もQC大会があるので、そろそろQCサークルを始めたいと思います。新人4人は各チームに一人ずつ入ってもらってまずQCを覚えてもらいます。20人なので、5名ずつ4組がテレフォンセンターから参加することになりますので、皆さん宜しくお願いします。」
■QCって何?
朝礼が終わったあと、私たち4人は「何?何?QCって何?」とすごく気になったのを覚えています。あまりにも気になったので先輩に聞いてみると、「QCはQuality
Controlといって、簡単に言うと、仕事の品質をみんなでよくしていって、効率をあげつつコミュニケーションを図っていきましょうっていうことなの。期に1回、年に2回実施して、年間を通して選出された優れたチームが全社大会に出場することができるの。そうは言っても、実際にQCをやってみないと分からないと思って、最初はまず参加して覚えてもらうことにしているの」。私たちは分かったような分からないような感じでした。
■第1回
そして、第1回目のQCが行われました。テレフォンセンターではQCを就業時間内に行うのは難しいため、お昼休みか仕事が終わってからになるので、メンバーのスケジュール調整が大変でした。まずリーダー、サブリーダー、書記のそれぞれの「役割分担」と「サークル名」を決めます。役割はローテーションで回ってくるので、誰もが一度はリーダーを経験しています。次回は「テーマ選定」なので、テーマとなる議題をそれぞれ持ち込むことになりました。堅苦しいものだと思っていたQCは実際参加してみると、予想に反して和やかに話ができて、まるで学校のクラブ活動のように楽しいものでした。
■第2回
第2回目はみんなでテーマを持ち寄り、その中から選定をしました。新人は仕事内容を把握していないということで、テーマの持ち寄りは免除されていました。4テーマをあげた理由をそれぞれ発表し、その中から1つのテーマに絞るまで話し合いが続きます。テーマの選定基準として、一番早く取り組んだ方が良いテーマ、成果が大きく出るテーマが重要です。成果が出そうもないテーマというのは、例えば、電話が鳴ったらワンコールでとるとか、鏡を目の前に置いて笑顔で電話に出る、といった数値データなどで表現できないものになります。話し合いの結果、私たちのテーマは「電話対応時間の短縮」に決まりました。
■第3回
テーマが決まったので、実際に何をしたらよいかみんなでアイデアを出し合います。話し合っていくうちに、今どのくらい対応に時間がかかっているのかが分からないことに気づき、まず現状どうなっているか、1週間5名それぞれお客様との対応時間を計測し、その結果から対策を考えることになりました。
■第4回
計測を始めてから1週間後、みんなの対応時間を見比べてみると、対応内容によって時間のバラツキがあることが明確になりました。数式に関する問い合わせ時間が圧倒的に長くなっていることから、対策は「数式の強化」に決定。こうして調査をしてみると、みんなが同じような事で大変さを感じ苦手意識を持っていることも分かったんです。それから問い合わせが多く苦手とされる数式を絞り込み、勉強会を行うことになりました。
■第5回〜第8回
勉強会を週1回、合計4回実施。内容はリーダーとサブリーダーが作成した資料をもとに、みんなの苦手とされる数式を分かりやすく解説。みんなが完璧に理解するまで続き、ときには1時間以上に及ぶこともありました。勉強会がすべて終了した結果、どの程度対応時間に変化があるか、再び1週間の計測をしてみることにしました。
■第9回
勉強会後の対応時間の結果をみてみると、人によってまだバラツキはあったものの、確かに数式の対応時間は減少していました。この結果にはみんなビックリ。勉強会をすることで、自分に自信がついて、お客様に説明するときは以前よりスムーズになったような気がするとみんな感じたようです。
■第10回
いままでの結果をもとに、リーダー、サブリーダーがQC選考会用のレジュメ(A4用紙6マス)と呼ばれる用紙にストーリーを記入します。まずレジュメに従った書類選考があり、続いて部内の発表会が開催されます。初めて参加したQCでしたが、残念ながら選考の段階で落ちてしまいました。
■QCをやって
結果的にはテーマを達成することができたけど、その経過が一番重要だということが分かりました。QCを通して、日頃見過ごしてしまっている原因に気づいて、それを改善することができたし、みんなとコミュニケーションがとり易く話しやすい職場環境になったことが一番良かったと感じました。
QCサークル活動についての疑問と回答を詳しくまとめているサイトがありますので 参考にしてください。
「QCサークル活動Q&A」
http://home1.catvmics.ne.jp/~qc-net/info/qaindex.html
鈴木 晴代